【結論】
彼岸花は花を眺める程度なら心配いりませんが、球根や茎の汁には毒性成分(リコリン)が含まれるため、子どもが口に入れないよう注意が必要です。
彼岸花の名所にお出かけする予定があると、
子どもが触っても大丈夫か気になりますよね。
結論から言うと、
見て楽しむだけなら過度に心配する必要はありませんが、
球根を掘り出して口に入れてしまうような事故には注意が必要です。
この記事では、農林水産省などの公的な情報をもとに、
彼岸花の毒性と、子連れでお出かけするときの注意点を整理します。
【この記事でわかること】
- 彼岸花に含まれる毒性成分と、体のどこに多いか
- 花や葉に触れるだけでも危険なのか
- 実際に起きている誤食事故の例
- 誤って口に入れてしまったときの相談先
- 子連れでお出かけするときにできる対策
彼岸花にはどんな毒があるのか
彼岸花(曼珠沙華)には、
リコリンやガランタミンといったアルカロイド系の毒性成分が含まれています。
これらの成分は、
彼岸花が自身を守るために持っている天然の物質で、
人や動物が摂取すると中毒症状を起こすことがあります。
毒は花・葉・茎・球根を含む全草に含まれていますが、
特に地中にある球根(鱗茎)の部分に多く含まれているとされています。
農林水産省の食中毒に関する情報でも、
彼岸花はニラなど身近な野菜と間違えやすい有毒植物の1つとして紹介されています。
彼岸花は、
田んぼのあぜ道や墓地の周辺など、
昔から人里近くに植えられてきた植物でもあります。
これは、彼岸花の持つ毒性を利用して、
モグラやネズミなどが土を掘り返すのを防ぐためだったといわれています。
観賞用として名所に植えられている彼岸花も、
基本的にはこの性質と同じ毒を持っていると考えて差し支えありません。
花や葉に触れるだけなら大丈夫か
結論として、
花を眺めたり、服が軽く触れたりする程度であれば、過度に心配する必要はありません。
一方で、茎を折ったときに出る汁液には毒成分が含まれているため、
皮膚が弱い人が直接触れると、
かぶれや皮膚炎を起こすことがあるとされています。
写真撮影で花に近づく際も、
茎を折ったり、球根を掘り返したりしないように、
子どもと一緒に確認しておくと安心です。
ポイント
子どもの誤食事故とその症状
子どもやペットが彼岸花を口にしてしまうと、
思わぬ事故につながることがあります。
特に注意したいのが球根の部分です。
砂遊びや土いじりの最中に、
土の中から球根を掘り出して口に入れてしまうケースが考えられます。
農林水産省の食中毒情報には、
彼岸花の葉をニラと間違えて食べてしまった事例も紹介されており、
喫食後に嘔吐や下痢などの症状が出たものの、
症状は軽く回復したとされています。
一般的に、彼岸花を誤って口にした場合の症状としては、
口の中のヒリヒリ感、吐き気、嘔吐、下痢などが挙げられます。
摂取した量や体質によって症状の程度は変わるため、
軽い症状だからと自己判断せず、
気になる様子があれば早めに相談することが大切です。
彼岸花とニラの見分け方
先ほど紹介したとおり、
農林水産省の食中毒情報には、
彼岸花の葉をニラと間違えて食べてしまった事例が掲載されています。
彼岸花は花が咲く前後の時期、
細長い葉だけを地面から伸ばしている状態のことがあり、
この見た目がニラなどの野菜と似て見えることがあります。
家庭菜園や畑の近くで葉だけの状態を見かけた場合は、
ニラ特有の強い香りがしないことや、
植えた覚えのない場所に生えていないかを確認すると、
判断の手がかりになります。
判断に迷う場合は、
その場で採って食べたり子どもに触らせたりせず、
持ち帰らないようにするのが安全です。
誤って口に入れてしまったときの相談先
子どもが彼岸花(特に球根)を口に入れてしまった疑いがある場合は、
公益財団法人 日本中毒情報センターの「中毒110番」に相談する方法があります。
- つくば中毒110番:029-852-9999
- 大阪中毒110番:072-727-2499
どちらも365日24時間対応で、
情報提供料は無料です。
実際に事故が起きている場合の相談窓口のため、
何を、いつ、どのくらい口にした可能性があるかを、
できるだけ具体的に伝えられるようにしておきましょう。
ぐったりしている、けいれんしている、意識がはっきりしないなど、明らかに様子がおかしい場合は、中毒110番より先に救急(119番)への連絡を優先してください。
子連れでお出かけするときにできる対策
彼岸花の名所に子どもと出かける際は、
以下のような点を意識しておくと安心です。
- 花や球根を摘み取ったり、持ち帰ったりしない(名所の多くは持ち帰り禁止です)
- 球根が地表に出ている場所では、子どもの手が届かないよう見守る
- 写真撮影に夢中になっている間の目離しに注意する
- 帰宅後は、外遊びのあとと同様に手洗いをする
特別な準備をしなくても、
「見るだけ・触らせすぎない」を意識しておけば、
家族で彼岸花を楽しむこと自体は難しくありません。
0〜2歳ごろの、
何でも口に入れてしまう時期の子どもと出かける場合は、
抱っこ紐やベビーカーを使い、
花や球根に直接手が届かない距離を保つのも1つの方法です。
3〜5歳ごろで、
自分で歩き回れるようになってきた子どもには、
出かける前に「きれいな花だけど、口に入れたり持ち帰ったりはしないよ」と、
理由も含めて事前に伝えておくと、現地で慌てずに済みます。
彼岸花の毒性に関するQ&A
彼岸花を庭に植えても大丈夫ですか?
観賞用として植えること自体は珍しくありません。ただし、小さな子どもやペットが球根を掘り出せる環境では、誤食のリスクを考えて、手の届きにくい場所に植える、球根の周りにネットを敷くなどの工夫をしておくと安心です。
犬や猫が彼岸花を食べてしまった場合はどうすればよいですか?
彼岸花はペットにとっても中毒を起こすおそれのある植物です。誤食が疑われる場合は、自己判断で様子を見ず、かかりつけの動物病院や夜間対応の動物病院に、口にした量や時間とあわせて相談してください。
まとめ
彼岸花は、見て楽しむだけなら心配いりませんが、球根や茎の汁には毒性成分が含まれます。
- 毒性成分はリコリンなど。全草にあるが特に球根に多い
- 花を眺める・軽く服が触れる程度なら過度な心配は不要
- 茎を折る・球根を掘り出して口にする行為は避ける
- 誤食が疑われる場合は中毒110番(つくば:029-852-9999/大阪:072-727-2499)に相談
- 意識障害など明らかな異変があるときは119番を優先
正しい距離感さえ知っておけば、
彼岸花の名所巡りは子連れでも十分楽しめます。
お出かけの際は、
「見るだけ・持ち帰らない」を家族で確認してから向かってみてください。
巾着田や府中市郷土の森など、
関東の彼岸花名所の日程・アクセスは、
別記事でもあわせて紹介しています。
お出かけ先を検討する際の参考にしてみてください。